新学会名称(日本デジタル医学会 英名:Japanese Society for Digital Medicine and Healthcare)についてのパブリックコメントの結果について

令和6年12月3日
一般社団法人ITヘルスケア学会
代表理事 磯部 陽

下記のとおり報告いたします。

会員通知日   :2024年8月31日
意見の受付開始日:2024年8月31日
意見の受付終了日:2024年9月27日
意見の結果開示日:2024年12月3日
提出意見数:6件
提出意見を踏まえた案の修正の有無:無

【意見1】「ITヘルスケア学会」から「日本デジタル医学会」への名称変更は、時代の流れに即した適切な対応であり、医療分野におけるデジタル技術の重要性を強調するために有効です。
「ITヘルスケア」という名称は、現在では広く認知され、一般化した概念である一方、時代遅れの印象を与える可能性があります。学会の名称を「デジタル医学」に変更することで、最新技術を取り入れた医療の進展を強調し、学会のイメージ刷新を図ることができます。ただし、「デジタル医学」という言葉の一般性については慎重な検討が必要です。
日本国内では、電子カルテやアウトカム共有データベースの導入が他国に比べて遅れており、この遅れが医療の質や効率に悪影響を及ぼすリスクがあります。名称変更がこの現状を打開し、デジタル技術を活用した医療の質向上と効率化を促進する一助となることを期待します。しかし、一般の人々や医療従事者にとって「デジタル医学」が理解しやすい名称であることを確認することが重要です。
以上を踏まえ、私は名称変更に賛成しますが、その際には言葉の普及と理解の向上に十分な配慮が必要であると考えます。
【意見2】賛成いたします。
【意見3】「デジタル」よりも「DX」にした方が、想いに即しているのでは?「医」よりも「ヘルスケア」の方が「医療・介護・福祉・予防・僻地」などより広くイメージしやすいのでは?よって「日本ヘルスケアDX学会」を検討してもらえたら嬉しいです
【意見4】新しい名前に賛同します。
【意見5】名前はキャッチーだと思いますので、基本的には賛同です。ただ、「デジタル医学」あるいは「デジタルヘルスケア」の定義や範囲についてはもう少し具体的に説明しないと①自分のこととして認識されないリスクと逆に②各人が各人の異なる解釈をしてしまうリスクがあると思いますので、名称変更を機に、認識をすり合わせる議論を盛り上げて行くと良いと思います。
 また、「Japanese Society」ではありますが、DXは国際的規模とスピードで進みますので、如何にグローバルな情報を吸収できる学会であるかが試されると思います。その意味で「日本」とか「Japanese」を敢えて付ける必要があるのかをご検討いただきたいと思います。
【意見6】主旨に従い学会名称を変更することにつき,賛同します.

【結果概要】意見の考慮・結果・理由等

 学会名称変更に対して学会員の皆様より貴重なご意見をいただきましたので、理事会で検討し、以下に回答させていただきます。
 まず、お寄せいただいたご意見からは、「ITヘルスケア学会」の名称変更の目的について、概ねご理解、ご賛同いただけたと考えます。有難うございました。
 「デジタル医学」が取り扱う内容についての説明が不十分であると、混乱や誤解を生じることが危惧されるという重要なご指摘をいただきました。デジタル技術の進歩により、疾病の診断・治療・予防を対象とする「医学」の領域においても、様々なイノベーションが創出されつつあります。その内容は、遠隔医療、AI診断・業務支援、PHR、EHR連携による病歴管理の効率化とビッグデータ解析、ウェアラブルデバイスによる情報収集と疾病管理、SaMDの開発導入、ロボット支援手術、仮想空間での医学・健康教育、リハビリにおける技術革新、地域医療・介護システムの効率化、大規模災害やパンデミックへの対応など多岐に及び、開発、導入、実践には医療・介護従事者のみならず、情報工学研究者、エンジニア、システムデザイナー、データサイエンティスト、法律関係者など多くの職種と企業が関与します。
 これらの領域は、まさに当学会が継続して取り組んできた活動テーマでありますが、今後「医学」の概念を広げ、将来の医療・ヘルスケアシステムを支える「デジタル医学」として確立していくのではないかと考えます。その期待も込めて、学会新名称案として「デジタル医学会」を選択致しました。名称に「ヘルスケア」を残すかどうかについての議論はありましたが、語感や国内外の既存の他団体との競合も含め、「デジタル医学会」が適しているという結論に至っております。
したがって、名称は「ヘルスケア学会」から「医学会」に変わりますが、学術団体としてこれまでの活動を一貫して継続し発展させていくことを目指しているとご理解いただきたいと思います。英文名称案 ”Japanese Society for Digital Medicine and Healthcare” には、当学会の取り扱う範囲が医療・ヘルスケア領域であることを明示するために、healthcareを付記しております。
 「DX」を取り入れた名称の方がより主旨に沿うのではないかというご意見もございました。当学会の今後の主要な課題が、医療・ヘルスケアDXの推進と評価であることはご指摘の通りであります。「デジタル医学」は、DXを実現するためのデジタル技術についても包括し、当学会の幅広い活動を示すものとお考えいただけましたら幸いです。
 当学会は、今年度、新たに国際委員会を設立しましたが、今後、国際交流による情報の収集と発信を強化していきたいと考えております。グローバルな視点から、学会名称に「日本」は不要というご指摘についても検討させていただきましたが、まずは国内の学術団体としての立ち位置を固め、国際的な発信をめざしていくために、敢えて「日本」を付けさせていただきたいと考えます。
 以上、お寄せいただきましたご意見を踏まえて、改めて学会新名称案を「日本デジタル医学会 Japanese Society for Digital Medicine and Healthcare」とさせていただくことを提案させていただきます。ご理解ご協力を宜しくお願い申し上げます。

お問合せ先

一般社団法人ITヘルスケア学会事務局 office@ithealthcare.jp

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