2019年10月吉日
一般社団法人ITヘルスケア学会
移動体通信端末の医療応用に関する分科会
理事・分科会長 木暮 祐一(青森公立大学)
近年、世界においてスマートフォンやIoT、AIを用いたオンライン診療サービス、オンライン健康管理サービスが急速な普及を遂げています。
医療の提供体制は国ごとに制度も異なり、それぞれの環境に応じて適切な体制が整えられるべきです。わが国においては、1961年に国民皆保険が達成され、一定の自己負担により必要な医療サービスを受けられる環境が整えられました。またわが国の医療はフリーアクセスであり、受診する医療機関を自由に選ぶことができます。こうした質の高い医療サービスが安定的に供給されてきたことから、世界最長の平均寿命を達成するなど、世界の中でも高い保健医療水準を実現しています。
一方世界では国ごとに介在する医療提供体制の不備や課題を補完するためにICTを活用したオンライン診療やオンライン健康管理の活用が拡がりはじめています。わが国においても昨年の診療報酬改定で「オンライン診療料」「オンライン医学管理料」が新設されたほか、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が通知されるなどの動きが出てきました。ICTのメリットを生かした診療サービスの提供は様々な社会的課題の解決・改善につながることから、今後わが国においてもニーズは一段と高まっていくと考えられます。
そこで、今回開催する「モバイルヘルスシンポジウム2019」では、世界で活用が進みはじめたICTを活用したオンライン診療サービス、オンライン健康管理サービスに着目し、それらの動向の理解を深めると共に、わが国においても今後国民の医療・健康増進に資するようなより効果的なICT利活用を議論して行きたいと考え、開催させていただくことになりました。わが国に最適なオンライン診療、オンライン健康管理の社会実装のために皆様の知見を集約し、今後の社会を展望したディスカッションにぜひご参加いただけましたら幸いです。
開催日時:2019年11月4日(月・祝) 10:30~15:30
会 場:東京大学薬学系総合研究棟講堂
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~kyoumuk/Kodo-access.pdf
主 催:一般社団法人ITヘルスケア学会
共 催:一般財団法人情報法制研究所、一般社団法人ブロードバンド推進協議会
参加費:2,000円(主催・共催会員)、5,000円(一般)
【プログラム】
<招聘講演>『世界のオンライン診療サービス・オンライン健康管理サービス動向』
「会員数2.3億人を誇る中国メディテック・平安好医生」
「病院・医師不足といった社会問題解決を目指したインド・DocsApp」
「日本最大級のオンライン診療システム・CLINICS」
「Apple Watch Series 4から実装された心電図機能の概要とその成果」
他
<パネルディスカッション>『わが国のオンライン診療の将来を考える』
問題提起「オンライン診療をわが国で実現させるための課題は何か?」
黒木 春郎 先生(外房こどもクリニック 院長)
討議「わが国におけるオンライン診療・健康管理の課題と展望」
モデレータ:水島 洋 先生(国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター長)